TK=Town King grew up(里帰り)

4/22
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「やってるねー」 本当の冷やかしが登場。 馬上の意見を無視して、2頭ともミヤに寄っていく。 「ポニーの1日乗馬体験みたい」 ……。 返す言葉もない。 「ちょっと遠乗りしよう」 ミヤが笑之助に鞍をつけると、さっきまでだらだらしていた笑之助の表情がビシッとする。幸之助まで。 あたしには手を抜いていたことがわかる。 くっ。 ミヤが簡単に笑之助に飛び乗る。 むむ。 「あたしが男だったら」 これくらい出来るもん。 「え?」 「いえ、何でもありません」 「いやいや、男だと困るんで」 笑之助の後を幸之助が追う形で、馬をゆっくり走らせる。 ミヤよりあたしの方が軽いのか、幸之助も楽に走る。 たまに駆け出しそうになると、落ちそうで慌てる。 太ももの力だけで馬の背に乗っているので、思ってたよりも体力がいる。 メリーゴーランドの馬に乗るのとは大違い。 御所の裏から将城方面に馬を走らせる。 慣れてくると周りの景色も見れるようになる。 将城に入らずにその脇の坂道を登る。 笑之助も幸之助も知ってる道なのか足取りは軽い。 坂をのぼりきったところに広い敷地が現れて、将族の厩舎であることがわかる。 「へぇー」 リーナは周りを見渡す。 御所の厩舎よりも広くて、人もたくさんいる。厩務員なのか、将族なのかも区別がつかない。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!