1人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「文句言うな」
ミヤがにたりと笑む。
いつの間にか将皇もいる。
見物客が増えてる。
カナムイは複雑な顔をしている。
「裏返せ。向かい紋にしてやる」
はっとして、カナムイがミヤを見つめる。
レア紋、らしい。
カナムイが刀を裏返して、ミヤが鳳凰を描く。
「それ、鳥に見えない」
「うん」
カナムイのテンションが下がっていくのがわかる。
菊にいたっては、もう。
見ているほうも。
「そんなんで、いんじゃない?」
……。
「完成」
ミヤが言うと、リーナがパチパチと拍手する。
カナムイは、じっと刀を見つめる。
将皇が覗き込む。
父親の顔だ。
カナムイの頭をくしゃくしゃっとして、去っていった。
カナムイがじっとリーナを見つめる。
「ちゃんとしたのが、もらえるの?」
「うん」
「喜べ。向かい紋付きの名刀、くれるそうだ」
「父親ももってないんだから」
「大事にしろよ」
「え。」
最初のコメントを投稿しよう!