遠距離(仮)の日々3

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 ぞぞむとレオンと孝弘の会社は櫻花貿易公司(インフォアマオイコンス)という。  3人がとくに桜が好きだというわけではなく、たんに言い出しっぺのぞぞむが、日本らしくて中国でもよく通じるイメージということで桜を会社のシンボルとして選んだのだ。  カフェの名もそのまま櫻花珈琲(インフォアカーフェイ)となっていて、その北京店のお披露目パーティはちいさなトラブルはあったものの、おおむね好評のうちに終了した。  ぞぞむがプライドをかけて中国全土から集めた手工芸品はその手仕事の見事さとオリジナリティあふれるデザインで注目を集めた。観光客向けのフリー雑誌や雑貨紹介のネットでも取り上げられ、北京店の滑り出しは順調だった。  店舗内に陳列してある商品はもとより、店内においてあるものはすべて商品となっていて、カフェで使っている食器や小物、クッションや壁にかかっているタペストリー、テーブルや椅子まですべて取扱商品で揃えた。  つまり客が気に入れば購入することができるのだ。それもけっこう話題になって、北京事務所のスタッフはかなり問い合わせをもらったと報告していた。  上海店は最先端のおしゃれを追及した店づくりをしたが、北京店は中国の国内博覧会をイメージした店づくりというコンセプトで、少数民族の刺繍製品や手織り絨毯などを多く揃えている。
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