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これは小松と春奈との二度目の冒険だった。
ぼくは真夏の日差しの公園で耳にした。大型メガネ店(アイ玩)では、今度は大量にお客がいなくなるのだそうだ。
春奈が夏休みに真相を暴きに行こうと言い出した。
ぼくは考えてみた。老舗だから床が古くなっていて、その床が抜けて人々がこの町の下水道に落ちて、何年かしたのちに出て来れるんだ。
でも、春奈は違う考えだ。
きっと、いなくなった人たちは、メガネを買う気がなく。それを見破った店員に、屋上で熱せられた鉄板で蒸し焼きにされている。
春奈の考えは、真夏でも背筋が寒くなる。
小松は身震いして、この前のような体験は二度としたくないと。頭を抱えていた。
「へい、いらっしゃい」
正面玄関には、この町の夏のクリスマスを告げる麦で出来たトナカイに乗ったサンタがいる。
レジには愛想のいい小太りなおじさんが並んでは、客引きに余念がない。
虹色のメガネを掛けているぼくは、程よく冷房の効いた店内で、ある人を見つけた。
日雇いロケット探偵の本田さんだ。
大勢のお客で、見え隠れしているが、春奈も気づいたようだ。
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