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サングラスをかけている春奈はぼくの耳に囁いた。
「また、依頼が来たようね。それも1日限りの。ねえ、本田さんは無視してこの事件を解決しちゃいましょ。きっと、今頃はメガネを買わない客が、鉄板の上で脂汗をかいているわ」
銀縁眼鏡をかけた小松は、春奈に何かを言ってトイレに駆け込む。
ぼくも、まずは床が古くなっていそうな一階のトイレから調べてみる。と、春奈に言った。
トイレの中には、お客が四人いた。
皆、用を足しながら、メガネの話をしていた。
いそいそと小松が便器で用を足している。
ぼくは小松を残して、古そうなタイルの上を音を立てて踏んでいた。
突然、トイレに複数の大男たちが、乱入してきた。
覆面をして、手にはアサルトライフルを持ち。お客と小松は驚き大口を開けた。
「奥へ行け! 壁に手をつけろ! 」
大男たちがぼくたちを、奥の壁に追い込んで、壁のタイルを一枚剥がした。
すると、壁のタイルには、点滅する赤いボタンが現れた。
大男が、それを押すとズズズッと、タイル製の壁が天井に上がって、奥からエレベーターのようなものが垣間見えた。
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