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「早く乗れ! 」
大男たちがそれぞれ大声を張り上げ、アサルトライフルで威嚇する。
ぼくはそれでも、涼しい顔でエレベーターに向かった。
エレベーターは木製で、古く。かしの木で囲いが作られ、幾重にも結ばれたロープでぶら下がっていた。
タイルの壁が元通りに降りてきて、エレベーターはゆっくりと上昇した。
小松やお客たちは、汚れたズボンのまま肩を震わせていた。
ぼくは大男に笑顔を向けた。
「ぼくと小松がいなくなると、凄腕の1日限りな探偵が調査しにくるよ」
大男たちは無言の圧力をかけて、微動だにしなかった。
最上階でエレベーターは止まった。
ここは、6階の上の屋根裏部屋だった。
板張りの床には、数人分のタオルケットが敷かれ、その奥には、数十人のお客たちがハンモックで真っ黒く日焼けしていた。
それもそのはず。
天井がない。
かわりにギラギラとした太陽光が顔を出す。
「さっさと、そこのタオルケットに横になれ!」
お客と小松は、真っ青になりだし横になりだした。
真夏の日差しが執拗に目を攻撃しているようだ。
横になった小松もお客も、怖くて何も言わない。
「さあ、サングラスを買え!」
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