第二章

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そもそも追いかけられていると思ったのも自分の気のせいかもしれない。 アパートに帰りつき、鍵をかけテレビをつける。 ドラマを見ようとしたがつけたばかりのテレビでは天気予報をしていた。 眼鏡をかけた仏頂面の男性が明日の天気を伝えている。 あんなに晴れていたのにどうやら雨が続くらしい。 無機質なその声から逃げるように私はチャンネルを変えた。 それからはバイト帰りに付け回されることが増えた。 「でも香奈ってバイト帰りは彼氏さんに送ってもらってるんじゃなかった?」 「いつもはそうだけど、上がり時間が違う時とか喧嘩した時とかは一人だし」 杏子が驚いたように眉をあげる。 「修一さんと香奈って喧嘩するの?」 「喧嘩というか私が勝手に機嫌悪くなってるだけかも」
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