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それから、ある日のことです。
旅の剣士さんが占って欲しいとやって来ました。
「ルビーナ姉様、このお方は……」
私は一目で分かりました。細目ではあるが、その瞳に迷いが無く、伝説の勇者だと。
「この地に『運命石』があると聞き、何処にあるか占って欲しくてまいりました」
「良いでしょう、占って差し上げます」
「姉様?」
私は姉様を奥に呼び出して真意を聞こうとした。
「占うのは、この剣士さんが伝説の勇者かです」
「姉様、本当に伝説の勇者様ならどうするのです?」
「……」
姉様は瞳を瞑り何も答えません。
「私の命と引き替えにして下さい」
「それは分からない、私達姉妹のどちらが運命を背負うのか」
そして
姉様は小石と枯れ葉で占いを始めました。
そして、結果はやはり伝説の勇者様と出ました。
しかし。まだ、未熟でこの国を救うのは無理と出ました。
「剣士さん、まだ、名前を聞いていませんでしたね」
「俺の名はデルタだ、それよりも占いの結果は?」
「この地で修行をすれば手に入ると出ました」
「俺はまだ、まだ、なのですね」
落胆するデルタさんに姉様は、この家に住み修行すると良いと言い。
本当に姉様は強いお方だ。私達姉妹のどちらかが『運命石』として身を捧げるのに。
こうしてデルタさんと三人で暮らす事となったのでした。
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