黒縁眼鏡は俺の○○

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その後の俺の人生は順風満帆。 国立大学にストレートで入学して、なりたい職業に就く事も出来た。 当然仕事にやりがいを感じているし、楽しくて仕方がない。 悩みといえば、女性との交際だけが上手く続かないことくらい。 いつまでたっても女心が理解出来ないまま、気づけば俺は32才になっていた。 彼女と出会ったきっかけは、至極単純。 同じ職場だったからだ。 けれどその存在が気になり始めたのは、休憩室でパート社員とはしゃいでいる所を見かけてから。 「オスカァール!」「アンドレーッ!」って職場で何故ベルサイユのばらなんだ!? 6つ年下の27才。どちらかと言えばカッコいいと形容される容姿だから、男役のフリがいやに似合っていたけれど。 それよりも印象に残ったのは、屈託のない笑顔だった。 あんな風に、自然に誰かと打ち解けられたらどんなにいいだろうって、そう思ったんだ。
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