第1章

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 交差点を渡りきったとき、少女は振り返った。今、あの日の少年がいた気がするな。しかしもはや、人混みに紛れて見えなくなっていた。 「…………」 少し考えて、まあいいか、と身体の方向を変えた。少年がいたとしたなら、どこかへ出かける途中だったのだろう。また、塾かな。だとしたら、帰ってきたときに驚かせてあげなくちゃ。 「私が救い出してあげると言った。だから、待っててね」 少女は、少年の家に向かって歩き出した。
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