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シズカ「え・・」
ケンタ「ちょっと・・・」
ヒロト「え、ハルナちゃん?」
三人が呆気に取られる中、ハルナはためらい無く扉を開け、素早く外に飛び出して行った。
ヒロト「ちょ、ハルナちゃん!」
ガチャ・・・玄関の扉が静かに閉まった。
ハルナは外灯の方に向かって歩き始めた、進むに連れて、コテージの明かりが遠のいていく。
ハルナは、進むに連れて背後の明かりが消えていくのを感じている。自然と交互に踏み込む足も速くなっていった。
ナオコさん、私を庇ってくれた、ナオコさんもショックを受けてたはずなのに・・・
外灯にたどり着いたハルナは、海に向かう道を見渡した。間の前を覆う闇夜が、森と道との境界線を消している。
ハルナが目を凝らして道の奥を見ると、外灯の明るさで見えなかったが、僅かに人影が見える。
ナオコさん・・・
ハルナは確信した。玄関で、ナオコが羽織っていた白蛍光のジャンパー、ハルナは思わず走り出した。
ナオコは、奥へと進んでいく、ハルナは追いつこうと走り続ける。
ハルナは緩やかな曲がり道に差し掛かったとき、ナオコを見失ってしまった。
ハルナは、急いで曲がり道を抜けたが、その数十メートル先、ナオコは立ち止まっていた。
ナオコが立ち止まった、その先・・・・白い布が夜風になびいている。
あの、女・・・
さっき、廊下で見たときと同じ服装、白のワンピース、顔は髪で覆われていて見えない。
あの女が、アケミの時と同じように、ナオコと向かい合って直立不動で立っていた。
ハルナ「ナオコさん!」
ナオコは、ハルナの声を聞いて振り返った。
ハルナは、目の前の光景が理解できなかった。
ナオコはこっちを向いている。そのすぐ後ろに、あの女が立っている。
しかし、ナオコは逃げることも無く、それどころか、微かな笑みを浮かべてハルナを見ていた。
ナオコは後ろの影が動いたことに気づき、再び向きを変えた。
ナオコの目の前で、女が両手を上げている。
ハルナは目を見開いた。
アケミと同じ・・
そう思った直後だった。
ナオコ「え・・・」
女は、両手を鋭く振り下ろした。
ゴッ、という鈍い音の後、ナオコは大きく揺れながら、積み木が崩れるように倒れていった。
ハルナの視界から、ナオコが消え、女がただ、立ち尽くしていた。
ハルナはこの現実を、悲鳴を上げることで拒絶した。
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