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二台の車には、それぞれヒロトとケンタが運転している。
ケンタの車の助手席には彼女のシズカ、後部座席にはシズカの友人のナオコ、
ヒロトの車には、後部座席にハルナと親友のアケミがいる。
車は高速を走り、風景は次第と住宅地を走りぬけて、所々に緑が目立ち始めた。
ケンタの車内は学校内の恋愛話、嫌いな同級生、教師の変な癖などで盛り上がっている一方で、ヒロトの運転する車内は妙に静かであった。
ヒロトがハルナに声をかけるが、ハルナは一言二言で返事を返し、直後にシズカがフォローする、そんなやり取りが繰り返し続いていた。
前を走っていた健太の車がわき道に逸れていく、ヒロトもそれに続き、二台はサービスエリアの駐車場に停車した。
ケンタ達はいち早く車から飛び出し、売店の方へと走っていった。
ヒロト「ちょっと休憩しよう」
アケミ「うん、私達、後で行くわ」
ヒロトは軽くうなづき、車の鍵をアケミに渡した。
ヒロト「じゃあ、先に外出てるね」
ひろとは シートベルトをはずして、売店横のトイレへと向かった。
アケミ「ハルナ、どうすんの?」
ハルナ「うん・・・」
アケミ「せっかく、ヒロト君が話しかけてるのに、あんた全然返してないじゃん」
ハルナ「いやあ、すんごい緊張しちゃって・・」
アケミ「お互い、気があんだからさあ、もっと気楽に話してみなよ、小学生じゃあるまいし」
ハルナ「わかった・・・でもなぁ・・・」
アケミはひとつため息をついて、車のドアを開けた。
アケミ「ほら、行くよ」
ハルナは小さく頷いて、アケミと一緒に売店へと向かった。
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