幽霊に殺される

3/35
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
二台の車には、それぞれヒロトとケンタが運転している。 ケンタの車の助手席には彼女のシズカ、後部座席にはシズカの友人のナオコ、 ヒロトの車には、後部座席にハルナと親友のアケミがいる。 車は高速を走り、風景は次第と住宅地を走りぬけて、所々に緑が目立ち始めた。 ケンタの車内は学校内の恋愛話、嫌いな同級生、教師の変な癖などで盛り上がっている一方で、ヒロトの運転する車内は妙に静かであった。 ヒロトがハルナに声をかけるが、ハルナは一言二言で返事を返し、直後にシズカがフォローする、そんなやり取りが繰り返し続いていた。 前を走っていた健太の車がわき道に逸れていく、ヒロトもそれに続き、二台はサービスエリアの駐車場に停車した。 ケンタ達はいち早く車から飛び出し、売店の方へと走っていった。 ヒロト「ちょっと休憩しよう」 アケミ「うん、私達、後で行くわ」 ヒロトは軽くうなづき、車の鍵をアケミに渡した。 ヒロト「じゃあ、先に外出てるね」 ひろとは シートベルトをはずして、売店横のトイレへと向かった。 アケミ「ハルナ、どうすんの?」 ハルナ「うん・・・」 アケミ「せっかく、ヒロト君が話しかけてるのに、あんた全然返してないじゃん」 ハルナ「いやあ、すんごい緊張しちゃって・・」 アケミ「お互い、気があんだからさあ、もっと気楽に話してみなよ、小学生じゃあるまいし」 ハルナ「わかった・・・でもなぁ・・・」 アケミはひとつため息をついて、車のドアを開けた。 アケミ「ほら、行くよ」 ハルナは小さく頷いて、アケミと一緒に売店へと向かった。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!