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ケンタは手で合図をして、両手いっぱいの荷物を持って道路を渡った、シズカは、それを見てすぐに後をついて行った。
ヒロトも荷物を持とうとすると、ハルナが手を差し伸べた。
ハルナ「手伝う」
ヒロト「あ、ありがとう」
ヒロトは笑顔を見せ、釣り竿やバドミントンのラケットをハルナに渡した。
アケミ「よしよし・・・」
ナオコ「ねえ、ハルナとヒロトって付き合ってるの?」
アケミ「ん?なんで?」
ナオコ「いやあ、じゃあ私達ミソッカスじゃね?」
アケミ「え、今回はさあ、別にそういうんじゃないじゃん、みんなでワイワイ楽しもうって来たんだし」
ナオコ「冗談じゃねーわ、こっちが気をつかうわ」
ナオコはため息を一つ吐いて、自分の荷物を持ち始めた。アケミも両手で足を叩いて、荷物を肩に掛けて歩き始めた。
船着場は、海沿いを歩いてしばらく歩いたところにあった。
六人が船場に向かって歩いていると、小柄で、頭のハゲたおじさんがニコニコして手を振っている。
ケンタがそれに気づいて軽く会釈をすると、ふと、おじさんの横にある船に目が行く。
ケンタ「おい、あれって・・」
ヒロト「なんか、漁船に見えるな・・」
ケンタ「あれで行くのか?」
ヒロト「・・・みたいだな」
シズカ「マジ・・船酔い大丈夫かなあ」
六人はおじさんに近づき、よろしくお願いしまーす、と声をかけた。
萩本「よく来てくれたね、私、萩本といいます。今から船で、コテージに案内するので、荷物は船内に、皆は船頭に座ってください」
萩本は荷物を次々と船内に入れ、荷物を渡した六人は船頭に移動した。船頭は以外に広く、色あせた水色の腰掛が真ん中に設置されていた。
萩本「この船ねえ、もともとは漁船だったんだよ、それを安く買い取って、移動用に改装したんだよ」
萩本がキーをまわすと、息ぐるしそうな音を出してエンジンがかかり始めた、さらにエンジンを吹かし、船場に固定してあるロープを外すと、船は勢いよく走り始めた。
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