幽霊に殺される

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萩本が所有する施設には浜辺を伝って、ちょっとした広さの停船場がある。とはいっても、巨大なビート板を浜辺から固定したような停船場であった。 一同は停船場から降りると、萩本を先頭に移動を始めた。数分歩かないうちに、六人が宿泊するコテージが姿を見せた。その外観は、六人の不安を一掃するかのような清楚な建物であった。 六人のテンションはみるみる上がり、ケンタとヒロトは萩本から施設の説明を受け、後の四人は荷物を置くなり、浜辺に戻って波打ち際で水の掛け合いっこを始めた。 コテージは、白を基調とした内装で、窓周りやバルコニーはウッドスタイルのデザインであった。そのコテージ内を、萩本と、後を追うように二人が説明を受けていた。 萩本「ここが風呂場、スイッチを押すと電源が入るから、ここで温度設定を・・」 ケンタとヒロトは風呂場、キッチン、二間ある寝室、そして裏手に回って、プロパンガスの注意を聞いていた。 三人が裏手に回ると、建物の真後ろに急な傾斜が姿を見せた。その傾斜を、立派な木々が覆いつくしている。 ヒロト「おお、すごい崖ですね」 萩本「そうなんだよ、これでもここが一番緩いほうなんだ。ここからこのコテージの資材なんかを、上からクレーンで下ろしたんだよ」 ケンタ「へえー、大変そうですね!」 萩本「ところでさあ、君たち、あの子達とどんな関係なわけ?」 ケンタ「え?どうって・・・友達だったり、彼女だったり・・」 萩本「えー、本当に?それにしても、人数が合わないねぇ、何の集まりなの?」 ヒロト「こいつが俺と友達で、あとこいつの彼女との友達と俺の女友達の友達とか・・です」 萩本「そうかい、うらやましいねえ、ちょうど両手に花じゃない」 萩本は両手で何かを抱える仕草を見せた、二人はそれを見て苦笑いをした。 萩本「とにかく、この崖には上らないようにね、前に来た学生さんのグループ、酔っ払って、登ろうとして、転落して大怪我したからさあ」 ケンタ「そうなんですか?」 萩本「うん、そしたら運ぶのも大変だしさ、気をつけてよ」 二人は軽く会釈をして、浜辺で四人と合流した、ケンタは次々とバッグからラケット、水鉄砲、ビーチボール等を取り出し、円になって遊び始めた。
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