幽霊に殺される

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全員がリビングに集まっている。女性四人は深く呼吸をしている。ケンタとヒロトは立ったまま、ソファーにももたれ掛かっていた。 ナオコ「あれ・・・本物かな・・」 ケンタ「初めて見たよ、俺」 シズカ「ちょっと!やめてよ!誰かのイタズラでしょ、どうせ」 アケミ「でも私たちだけしかいないんでしょ、誰がそんなことできるの・・」 シズカ「あの人じゃない?オーナー?ああやって客をびびらせてるんでしょ?」 ヒロト「いや、そんなことする人に見えないけどなあ・・」 ハルナ「私・・見ちゃった・・・」 ヒロト「何を?」 ハルナ「顔・・・見ちゃった・・」 その瞬間、ハルナの視界には、目を見開いて見つめる全員の視線があった。 ケンタ「ま、マジかよ!」 ナオコ「本当に?」 アケミ「どんな顔してた?」 皆がハルナに問い詰める中、シズカがハルナの肩を両手で押さえた。 シズカ「ハルナ・・・あのおじさんでしょ?」 ハルナは、ゆっくりと、顔を横に振った。シズカは手の力を緩め、床にへたり込んでしまった。 ハルナ「知らない顔、間違いなく、女の人だった」 シズカはこらえ切れず、ケンタに抱きつき、涙を流し始めた。 アケミ「どうしよ・・」 アケミは、ヒロトの顔を見た。 ヒロト「まあ、中に入って来るわけでもないし、ここで様子を見よう」 ケンタに抱きしめられていたシズカが、ゆっくりと顔を上げた。 シズカ「そんな、ねえ、誰か、オーナーのところに行ってよ」 ナオコ「いやだよ!あの幽霊の横通らなきゃならないじゃん」 ヒロト「それに、あのおじさん寝てるかもしないし」 ケンタ「そうだよ、朝まで待とう」 シズカ「いやよ!そんなことしているうちに、あの幽霊が入ってきたらどうすんのよ!」 アケミ「そんなに言うんだったら、あんたが行けばいいじゃん」 ケンタ「みんな、やめろよ、シズカ、朝まで一緒にいるからさ、な・・」 皆が話し合っている中、ハルナは、アケミの袖を引っ張った。 ハルナ「アケミ」 アケミ「ん?何?」 ハルナ「トイレ・・一緒に行かない?」 アケミは大きくため息をついて、ハルナの手を取った。 ヒロト「おい、どこ行くんだよ?」 アケミ「トイレ」
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