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男は右手で首の裏を掻きながら告げる。
「……何で『雷様』に就こうとしている人物が雷、苦手なの?」
そう言われた女は漸く顔を上げた。
女は恐怖にひきつった顔で、溢れんばかりに ── 否、実際には駄々漏れだ、涙を流し、潤んだ瞳、で男を見つめた。
「……だってぇ~、仕方ないじゃないですか!こ、怖いものは怖いんですよぉ~。」
それを聞き、男は呆れて一つ溜息をついた。
「ハァ、……キミ、曲がりなりにも『雷娘』でしょ?雷娘が雷怖がってどうすんのさ?」
そして男は心の中でこう思う。
─── 彼女には合わない仕事だ。
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