四章 ヨトル街

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外観の美しさにこだわる傾向が近年強くなってきた。 地球再生を支持する一派は建物の美しさと均衡におもきをおいている。 (その中身はどれだけクズか) 一歩、裏を知ればそこに馴染めず人は逃げる。 葉月はハンドルを切って、駐車場に入った。 駐車場には三つの四駆車が停まっている。ナンバーは、西区のものだ。 葉月はユリアと陽介を連れて研究所の玄関へと向かう。承認ナンバーと指紋の受付をしてから中へはいる。三人を出迎えたのは源研究員であった。 源研究員は宮守渉の部下であった。彼はマウスの管理をしている。年は葉月よりずっと上だ。四十三とは思えない容姿をしている。一見では二十代でも通用する。かくいう葉月は二十五であった。源研究員とは大学の先輩後輩の間柄だ。それなりにした親しくしていたが仕事で会うのは初めてであった。源研究員も葉月の訪問に驚きの笑顔を見せる。 「やあ、お久しぶりだね」 嬉しそうな源研究員の口許が綻びる。 「え、知り合いなの?」 反応したユリアに葉月は言った。 「大学の先輩後輩の間柄なんだ。三年ぶりに会ったんだ」 「三年かそんなに経つんだね」 源研究員が思い出すように言った。 「ほんと御無沙汰しています。今度呑みましょう」 「いいね。楽しみにしてるよ。それでがなしは聞いているかな」
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