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「そうだよ。ですから、生物兵器監査連邦に調査要請を出したのです」
宮守博士がはっきりと言い切った。
「アカシアについてはどれだけのことが分かってるんですか?」
ユリアが聞いた。
「薬指のない男がひとり。五人組で行動していて、忍び込む方法は何時も違う。ときに輸送車を襲い、ときに壁に穴をあけ、仲間として内部に居ることもある。この施設に居たひとりが行方を眩まして居るのでそう言うことなのでしょう。五十の施設からネズミとモルモットと兔が五千匹盗まれているんです。それとコノハが居るという施設で監視カメラの画像に女が映っていたそうです」
「その監視カメラの画像を見ることはできますか?」
ユリアがさらに聞いた。
「コノハに連絡はしてあります。今からでも対応できるでしょう」
「分かりました。ありがとうございます。他に情報はありませんか」
「私からは特には」
「俺から聞いてもいいですか?」
葉月は宮守博士に訊ねる。
「なんですか?」
「平本おじさんのことです。なんのために薬を作っていたんですか?」
「さっきも少しいったけれど。ゾンビを分解する薬を作っていたんだ。あくまで私はゾンビを消し去る薬が欲しい。安楽死させてやれるような薬の開発をしています。平本博士のことは残念ながら私には分からないのです」
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