千崎ゆのん × 津上川行風

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「ゆきちゃん先輩、これどうすればいいんですか?」   私は生徒会会長である先輩の仕事のお手伝いをしている。 てゆーか頼まれた。 「あのなー、千崎、何度も言うけどちゃん付けやめろ。 それはもう捨てていいから」 「はーい。 じゃあなんて呼べばいいんですか?」 「津上川でいいだろ」 「長くて言いにくいから嫌です」 「お前、俺の先祖に謝れ」 「冗談ですよ、冗談。 姉がそう呼んでたらしいじゃないですか。 私は姉の真似をしているだけです」 私の3コ上の姉、千崎まちるはこの高校の卒業生であり、元会長で、ゆきちゃん先輩とも仲が良かったらしい。 「俺は何度もちゃん付けはしないでほしいと頼んだよ。 それでも変えてくれなかったんだからどうしようもないだろう」 「まぁ、ちゃん付けをやめてほしかったら姉をなんとかしてください。 姉がやめたらやめます」 「そーいうとこ本当姉妹だなって思うよ」 「ありがとうございます」 「言っとくけど褒めてないから」 「先輩」 「ん?」 「今日で終ったんですね」 「そうだな、1年とか早いもんだなー」 今日は新生徒会会長選挙日だった。 新しい会長も無事決まり、今日でゆきちゃん先輩も任を降りた。 先輩のお手伝いをするのも今日で最後。 「まぁ、白岡が会長だったらなにも心配することはないけどな。 あいつ、できるやつだし。ただ少し寂しいものがあるよな。 千崎先輩もこんな気持ちだったんだろうな」 私は気づいていた。 だから今まで言えなかった。 「そういや、今日生徒会メンバーで3年生を送る会を開くらしいんだけどお前も来るだろ?」 「私、メンバーじゃないんで」 「なにいってんだよ、お前は生徒会補助メンバーだ。 他の奴らだってお前が来たら喜ぶだろうし。 てゆーか千崎、生徒会に入ったらどうだよ。 空いてる役職あるし、お前なら皆・・・」 「先輩聞いてほしいことがあるんです」
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