千崎ゆのん × 津上川行風

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いつもと違うことを悟ったのかゆきちゃん先輩は真面目な顔になった。 「姉は、、、まちるちゃんには今彼氏がいます。 だから先輩がいくら思ったって思いは届かないと思います」 「えーと、千崎先輩に彼氏がいるのは知ってるぜ。 あれだろ、4つ上のかっこいい彼氏だろ?」 「しってたんですか?」 「ラブラブの写メ送られて来たからな。 ったく自慢したいのは分かるけどさ、わざわざ毎回知らせなくていいのにな」 「毎回?」 「今日デート行ったこととか毎回事後報告してくるんだよ」 「それは・・・姉がすいません」 無理して明るく振る舞っているのだろうか。 もしそうならこれ以上聞かないほうがいい。 「じゃあ、じゃあ私がゆきちゃん先輩をスキって思ってたのは知っていましたか?」 「え?」 「ずっとスキでした」 「そ、れは知らなかった」 珍しく先輩が戸惑っていた。 やはりこーいうことを言われても困るのだろう。 「今までありがとうございました。 ・・・すいません、今日は失礼します」 (泣くな、泣くな。先輩を困らせるな) 今すぐここを離れたかった。 さもないと涙が溢れでてしまいそうだったから。 「ちょっと待てって、千崎!」 「離して、下さい」 先輩が腕を掴んで離してくれず、ここから立ち去ることもできない。 「まだ俺の話が終ってない」 「一体なんの話があるんですか? 返事なら求めてませんから、ちゃんと分かってますから」 「だから!俺の話を聞けって!! ・・・俺さ、確かに千崎先輩のことスキだったよ。 彼氏できたって初めて写メ送られた時すごく辛かった。 でもそん時お前、慰めてくれたじゃん。 俺が落ち込んでるの気づいてくれてさ、理由も知らないのに慰めて、笑わせてくれたじゃん。 あんときすごく嬉しかった」 そーいえば以前落ち込んでいる先輩を見たことが会った。 理由ってまちるちゃんのことだったのか。 「そん時から、移動教室の度に千崎いねーかなって探してたんだよ。 だから、えっと、なにが言いたいかっていうと千崎がスキ、です。 だから付き合って欲しい」 別の意味で涙が出てきた。 「今年受験だし、遊びにとかいけないけど、それでよければ」 そんなの返事は1つしかないだろう。 「お、願いします」 先輩は嬉しそうな顔をして、私を抱きしめてくれた。
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