その来客は雨と共に

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『ぴゃあ、ぴゃあー』 『……』 …ーーその子猫というのが、 「ぴゃー…、ぴゃー…」 今外で鳴いている来客という訳だ。 あのまま家まで着いて来てしまった子猫は、あろうことか、よく庭に訪れるようになってしまった。 今は仕事の行き帰りをあいつに見届けられている始末だ。 その内諦めるだろうと無視を決め込んでいるが、それはいつになるのだろうか。 あの時、変な気を起こして助けなければ良かったのに。 雨の中で鳴いている子猫の声を聴きながら、過去の自分を侮蔑した。 そんな折、静かな家の中にチャイムの音が響いた。 予定の無い正真正銘の来客に首を捻りながら、俺は窓から視線を外した。
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