新しい朝はこんなにも

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(…雑魚寝でもするのか?) なんて他人事のように考えている俺の肩に、那月は毛布を掛けた。 そして俺と触れ合うような距離に腰を下ろすと、自らも毛布を被った。 迷いのない彼の一連の行動に、俺は何も言い出せないままぽかんとする。 気付けば俺と那月は、1枚の毛布の中で2人ぴたりと寄り添っている状態になっていた。 「……何のつもりだ…?」 しれっと真隣に座って俺と毛布を共用している那月に、混乱の中 声を振り絞って訊ねる。 そんな俺を見て、那月はにっこりと笑う。 そして俺の肩に触れている自身の肩を指先でとんとんと叩きながら、 「はい、凭れていいよ」 そう、何食わない笑顔で言って来た。 「…えっ…? いや、は?」 「肩貸すから、凭れて休んでいいよ」 混乱に混乱が重なり、言葉すらまともなのが出て来ない俺に、那月は噛み砕いた言葉で再度言う。 「へ、変なこと言うな…っ」 からかわれているのだろうか。 こちらを眺めている那月に、勝手に思考が暴走し始めた。 「別に変なことを言ったつもりはないよ」 その警戒心を察したのか、那月は困ったように笑った。 「座ってるって言っても、ずっとそのままだとしんどいでしょ。…それに兄さん、どうせまともに寝てないんじゃない? 目がぱしぱししてるよ」 「…それは……っ」 顔を覗き込まれ、たじろぎながら視線を逸らす。 「ほらー、おいでったらーっ」 「あ…!」 そうこうしていると、半ば強引に那月に肩を引き寄せられた。 毛布の中で距離を空けようと引いていた身は、あっけなく彼の身体に凭れ込んでしまった。
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