新しい朝はこんなにも

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「おっと」 だけど一色纏の傍を横切ろうとした俺は、瞬時に出された彼の片腕によって逃げ道を妨害されてしまった。 「何を慌てていらっしゃるのでしょうか?」 もがく間も無く力ずくで引き寄せられ、懐に捕らえられる。 音を立てて、菓子の袋が床に落ちる。 動揺と混乱に取り込まれている俺は、それを拾い上げることも落としたことを意識することも出来なかった。 「…ふふっ。盲点でしたよ」 小さく震える肩に、そっと手が置かれる。 耳元に、笑いを含んだ囁くような声と息がかかった。 「あなたが以前話してくれた”想い人”が、まさか実の弟だったなんて」
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