新しい朝はこんなにも

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骨張った大きな手のひらが、俺の身体を不躾に撫で回す。 彷徨い続けたそれは、ゆっくりとインナーの中へ侵入してきた。 「……っ」 脇腹を伝う他人の手の感覚に、肌が敏感に反応して跳ねる。 ぞくぞくと寒気のような感触に思考が呑まれそうになり、その押し寄せる恐怖から逃げ出そうと、俺は拘束された手のひらを必死で捩った。 「あ…!!」 ーー突然、電流のような強い刺激が全身を巡った。 抵抗する俺に構わず肌の上を這いずり回っていた一色纏の長い指先が、胸の突起を強く摘んだからだ。 「ぁ、んん…っ」 人差し指と親指で摘まれ、感度を煽るようにじっくりと押し揉まれる。 執拗に責め立てる刺激に、俺はぎゅっと目蓋を閉ざし身体を強張らせた。 「いや、ぁ…。やめろ…っ」 かぶりを振って拒絶する俺に一切の反応をせず、一色纏はうなじに喰み付いた。 「やっ、ん。…やめて…っ」 うなじから伝って耳を喰み、そこから下り落ちて首筋を喰む。 吸い付くような痛み、それに重ねるように、硬くなった突起を人差し指の腹で撫で転がされる。 「…やめて、怖い…っ」 押し付けられ、背後から言葉もなく責められ。 「誰か……」 不安や恐怖に侵され、無理やり与えられる感覚になけなしの理性が悲鳴を上げ始める。 「なつ、き…那月…っ」 届かないと分かっていても、その名を呼んでしまうほどに。
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