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そんな俺を暫く眺めた後、一色纏は再び攻めの手を動かし始めた。
インナーを捲り上げ、前部全てを光に晒す。
「…や…! あ…っ」
露わにされた胸の突起を、一色纏は躊躇いなく口に含んだ。
中で生温い舌を充てがわれ、ぬるぬると包まれる。
指先とは違う、唾液で突っかかりなく滑る感覚に、俺は微かに背中を浮かせた。
「んんー…っ」
舌先が突起を撫で回す感触に、俺はシーツを握り締めてきつく目蓋を閉ざす。
不意に強く吸い上げられるなどの刺激の緩急に、声を必死で堪えた。
「く、うぅ…」
だけど隈なく官能を擽り続けられ、恐怖でがんじがらめにされて、心は限界を感じ始めていた。
けれども俺の内腿を撫でる一色纏の手は、構わず奥へと潜り込もうとする。
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。
嫌、嫌、嫌、嫌、嫌。
助けて、助けて、助けて、助けて。
ーー駄目、だ。
俺は咄嗟に拘束されている自身の両手を唇に充てがった。
そして手首に歯を立て、皮膚の下にある骨を断つ勢いで噛み締めた。
「ん、うぅー…!」
痛みと引き換えにしてでも、自分を保つことに躍起になった。
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