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ーー…何気無く窓の景色を眺めていたら、陽の入りが遅くなっていることに気付いた。
冬の終わりの訪れがこんなところにもあったのかと、夕焼け空を仰ぎながら独り感心する。
>> チェーンは開けたままにしておいて。
短いメッセージを、那月に送り付ける。
返信はおろか、既読も付かない。
きっとまだ仕事中だ、真面目に頑張っているのだろうな。
警察官の服を着ている那月を少しばかり想像しつつ、携帯の画面を消す。
用も済んで背広のポケットに仕舞い込むと同時に、院長室の扉がノックされる音が聞こえた。
「どうぞ」
窓に薄っすら映っている自分の表情を今一度見つめた後、目蓋を伏せてノックに応える。
「失礼します」
ゆっくりと扉が開く。
部屋の中へと足を踏み入れたひとりの男が、こちらに向かって一礼してみせる。
そんな彼と対面するように、俺も夕空から視線を外して振り向いた。
「お疲れさまです。一色先生」
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