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「……っ、はぁ…」
抱えていたものを吐き出し、汚れる下半身。
のしかかる疲弊に拙く呼吸して、那月に寄りかかりながらくたびれる。
「…あ……」
そうして身体を休めている俺を離し、那月はベッドへと横たわらせた。
「…”いい人”でいるって、やっぱり難しいね」
呆けている俺に覆い被さり、那月は寂しそうに小さく笑う。
そして俺の頬に手のひら添えながら、唇を重ねた。
「……!? んっ、んん…!」
ーー舌を受け容れてキスに応えていると、不意に秘部が強く圧迫された。
「く、ぅ…っ、あ、ぁ…!」
キスも出来なくなって、思わず顔を背ける。
固く、指先とは比べものにならない熱量を持つそれが充てがわれて中へ押し入ってくる感覚に、俺は枕を握り締めた。
「い…っ! あぁ…! あッ」
内壁を無理やりこじ開けて、奥へ潜り込んでくる。
貫かれて仰け反る全身が、新たな熱を孕んでぞくぞくとする。
「なつ…っ、やッ、頼む、まって…!」
俺は小さくかぶりを振りながら、か細い悲鳴を上げた。
引っ込んでいた涙が、またぼろぼろと溢れて顔を濡らした。
「……兄さん、悪いけど」
那月は言いながら、懇願する俺の目尻の涙を拭い取った。
「はっ、…は…、なつき…っ」
「可愛すぎて、止められない」
「ーーーっ!」
余裕なさげに揺らぐ眼差しが、泣いている俺を見下ろす。
そして強く、俺の身体の奥を打ち付け始めた。
「ひぁ…あ、あッ」
掴まれた腰を揺さぶられ、激しく突き上げられる。
熱が奥に触れる度に息を乱し、俺は鳴き続けた。
「あっ、や…! あぁっ」
恥も理性も忘れて、那月の熱に溺れた。
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