新しい朝はこんなにも

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ーーカーテンを開け放した窓から、朝陽が射し込んでくる。 眩しさから逃れるように、俺は身動いで影の中へと逃げ込んだ。 「…ん…っ」 温かい体温に鼻がぶつかり、うつらうつらと目蓋を開く。 朝陽を嫌って俺が身を隠したのは、傍で眠っている那月の腕の中だった。 「……」 くうくう寝息を立てている那月を、腕の中から見上げる。 子供みたいな寝顔は、さぞ気持ち良さそうだった。 山吹色の髪に、そうっと触れる。 悪戯心が芽生えて、頬にキスもしてみた。 けれど熟睡している那月は、睫毛すらも震わせない。 おはようって言っても、きっと気付かないのだろうな。 無防備な寝姿に溜め息混じりに苦笑して、俺は一人ベッドから身体を起こした。 彼の腕から離れると温かさを失って、途端に物寂しい気持ちが生まれた。 今が何時かも分からないまま、窓の外を眺めた。 昇ったばかりらしい太陽は、空で白く輝いている。 碌にボタンも留めていないシャツ1枚を適当に羽織った自分を、鮮明に照らしている。 ”全ては夢じゃない” 新しい朝は、俺にそう教えてくれているようだった。 那月とキスをしたことも、那月と繋がったことも。 眠りに落ちるまで身体を重ねて、愛し合えたことも。 恋人として結ばれたことも。 全て嘘でも夢でもない本物なのだと、強く実感させてくれた。
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