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「おはよー」
「おはよー、青島」
「青島、おはよー」
今日も暑い日差しのもと学校へ行く。
クラスに着くと自分の机に向かいながら勇作の顔を探してみたが、まだ来ていないようだ。
日差しが強いからカーテンを引いて早速机に突っ伏した。
夕べも勇作と夜中までゲームをしていた。
勇作以外にも同じゲームをクラスでしていた奴がいて、そいつらと一緒に期間限定のレアボスを倒そうとしたんだ。
……あのボスが体力250を切ったところでかけてくる呪文何とかなんないのかよ?
……次は俺がエルフで行って支援魔法をガンガン掛けちゃうとか?
「おはよー、青島」
ん?
誰だ、七瀬?
俺は机に突っ伏したまま片手をちょっとだけ上げた。
「おはよ」
もちろんそれ以上の会話はない。
七瀬は七瀬で席が近くなった友人とお喋りを始めたようで、時々笑い声が聞こえてきた。
教室の中が賑やかになってきた。
寝付きのいい俺は、大概の環境ならすぐ寝れるという特技がある。
ゲームの事を考えているうちに、半分眠りの世界に引き込まれていた。
「大地ー。起きろよー」
あー? 今気持ちいーんだよ。
「大地ー」
勇作の声が聞こえる……。
分かった。起きるから、そんなに揺すらないでくれ。
「あ、起きたな。おはよー」
「おは…よお」
アクビをしながら挨拶をした。
「また額に腕の跡付いてるよ」
「短時間でも寝れるのが俺の特技だからな」
「でも腕の跡はどうかと思うよ?
せっかくいい顔してんのに」
「え?俺がカッコいいって?」
「バカか?お前は」
「何だよ。いい顔してるって言ったくせに」
「冗談に決まってんじゃん」
「分かってまーす」
くだらないことを言って二人で笑っていると、今まで友達とお喋りをしていた松井さんが振り返った。
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