襲撃者

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「だけど、君が大魔法使いナレザールに引き取られていたことは、皆が驚いていた。どうやって、彼は君を見つけたのだろうか、とね」 それは僕だって不思議に思った。 「おじいちゃんとおばあちゃんは、僕が5歳の頃、養護施設に突然現れました」 あの頃のことを思い出すと、今でもジクジクと胸が痛くなる。 男の子なのに、周囲の男の子たちからは"女みたいだ"といじめられ、いつもどこかしらに傷を作り、女の子たちからも、なぜか距離をとられていた。 だけど、僕にはどこにも行くところがなかった。逃げ出したいと、思いながらも、そうする勇気がなかった。 おじいちゃんたちが迎えに来てくれた時は、二人が本当のおじいちゃんとおばあちゃんか、なんてことよりも、ここから連れ出してくれる、それだけで十分だった。 「どうやって見つけてくれたのかは、わかりません」 冷めた紅茶を飲み干す。 「あの頃は、あそこから助けてくれただけで、十分でしたから」 「ノア……」 僕の顔をジッと見つめていたレヴィが、急に抱きしめてきた。
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