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「……帰りたいなぁ……」
空を見上げながらポツリと呟くと、いきなりレヴィが後ろから抱きしめてきた。
「なっ!?」
「ダメだ」
大きな身体が僕を包み込む。
ぎゅうっと腕を回して、僕は完全に捕まってしまったみたいだ。
「帰っちゃダメだ!」
「だ、だって……魔法はできないし……と、友達だっていないし……」
「俺とエミールがいるだろうっ?」
僕の頭の上から、なぜかレヴィの必死な声がする。
「で、でも……2人はと、友達というよりも……そ、尊敬する先輩というかっ……」
「ダメだ。俺たちは……友達。な?だから、帰るなんて言うな。」
「……は、はぁ……」
そして僕は、大きな身体のレヴィに抱きしめられながら、"友達"という位置づけにされてしまった。
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