登校は波乱に充ちて

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僕「ハァ、ハァ、ハァ、クッ……。」 僕は全力疾走で逃げ、広場に出てくる。そこには噴水があり、待ち合わせ場所にもなってるらしい。50年ほど前に魔方陣と一緒に作られた公園らしいけど、詳しい話は知らないや。 ウネウネした声「アーラ、うふふ、やっと出てきたわね……母親がアナタのお祖父様に世話になったみたいでねぇ、顔を貸してほしいのよ~。ねぇ、良いでしょ~?」 体をクネクネさせた、もといウネウネさせた女♂が近づいてくる。僕は本能的に「掴まれたら不味い。」とすぐにその場を後にする。 女性の声「コッチよ!!!!」 逃げていると女性の声が聞こえてくる。僕はソッチに逃げ込む。すると後ろであまり聞きたくない叫び声が聞こえる。僕は聞いちゃいけない、そう思いながら広場の東側に逃げる。 僕「ここ……。」 そこには1人の像が立っていた。その銅像は箸を掲げ今にもドラゴンを殲滅せん、と走り始めそうな印象を受ける。それが今は僕の首を締め付けてくる。 男達「フフフ……やっぱり風は俺たちの方に吹いていたみてぇだなぁ……シマカゼェ……!!!!」 最初に会った彼らが周りを取り囲む。僕は全力疾走したせいでこれ以上逃げ出す気力は残っていなかった。周りを取り囲んだ男達は自分の怒りを発散させるかの如く四方八方から殴ってくる。理由は簡単だ。50年前に爵位持ちの今はなきお祖父さんが奴隷市場に出ていてその時神帝に捕まり、爵位を没収されたのはまだ良い。流罪となり戻って来た時に『神帝の陰謀だ!!!!』とミミカナ村の人の前で恥ずかしげもなく言って回ったせいで「シマカゼ家は反省してない」と取られ居づらくなってしまった。という経緯があった。思い起こしている内に蹴り飛ばされたため僕はフラフラと立ち上がり足に魔力を込め、逃げ出す準備をする。何で……僕ばっかり……どれもこれも……つっ。お祖父さんのせいだ……神帝のせいだ……何で……僕ばっかり……!!!! 謎の男女の声「男3人掛かりでみっともない。」
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