古い病院

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すっかり日が沈み辺りが暗くなった頃、夜勤の看護師達がミーティングの為、院長室に集まりだした。 今夜の夜勤は女性ばかりの三人で、それぞれの好きな歌手の話で盛り上がっている。 院長はそれを微笑ましく眺めながら、 「楽しそうなところを、おじゃまして悪いのだが、そろそろミーティングを始めるよ。日勤者からの引き継ぎで、建物の点検結果は聞いていると思うのだが…」 そう言って院長は説明を始めた。 「と、言う訳で、今日も院内の危なそうな場所をしっかり覚えて対応してください。本来ならこの建物をどうにかしたいのですが、お金の問題もあり、今すぐどうこうはできません。皆さんに負担をかける部分もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いします」 「わかりました。私達は大丈夫ですよ。みんな、今日も一日頑張ろうね」 「はい! 危険な場所は覚えました。今夜も来訪者がきたら、危ない場所に向かわせないように、しっかりと誘導します」 「院長、任せてください!」 「みんな、いつもありがとうね。……おっ、さっそく誰か来たみたようだ。外から車のエンジン音がするぞ」  そう言って院長は、割れたガラスが残る窓枠から外を見た。  そこには病院の正面玄関前に車を停め、懐中電灯片手に降りてくる若者三人の姿があった。 会話までは聞こえないが、なにやら騒がしく、時折笑い声が混じる。
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