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二人は生まれて一月ほどで成人をむかえる十四歳程の体格に成長し、周囲を驚かせた。
そして、グラナダの、あどけなさの残る凛々しく美しい様相に王は心奪われ、禁忌にふれてしまう。
それを知った男児は、グラナダを守るため、王を刺殺し、その首を狩る。
悪魔であった母親から生まれた魔具の杖を王の脳天に刺すと、杖の先端の宝玉が王の罪を虚空に映し出した。
真の悪魔は王であったと男児は口上し、その類いまれな容姿と頭脳によって国民を従え、チキサギ――しろきものを意味する名を名乗り、王座を継ぐ。
しかし、チキサギの頭には、父王と同じ過ちを犯したであろう王国の人間たちへの復讐心だけがあった。
そんな中、グラナダは王宮から忽然と姿を消す。
「グラナダ、いつか必ず私のもとに戻ってくると信じている。何をどうしてでも生きのびろ。真の王は、救世主は、お前なのだから」
チキサギは城のバルコニーから空を見上げながら、そう心の内で念じると、身をひるがえして室内へと引き下がった。
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