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「止めろ!」
野村が現れ、赤いルージュの女の腕をひねりあげる。
「痛いじゃないの。止めなさいよ」
腕を取られた女は、悲鳴にも似た金切声をあげた。
「和田浩平、観念しろ」
「私は淳子よ」
逃げようとする女が、がむしゃらに頭を振るとウイッグが取れて髪の薄い頭が現れた。
「離婚したとは聞いていたが、刑事課長まで務めた和田さんが、なんでこんなことをしたんだ」
「私は和田浩平じゃない。和田淳子よ」
「いい加減にしろ」
野村が和田に手錠をかけた。
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