クオリア・コンバーター

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   ※   ※   ※ 「それはアレだな、絶対にブス。その写真は完全に原型留めてないほど修正されまくったやつだぞ」 「そう思う? やっぱり?」  翌日、僕は出社するなりロッカールームで一緒になった、比較的仲良くしている同僚に相談していた。 「でもさ、なんで僕? そんなことしてまで会うのなら、もっとイケメンを選べば良くない?」 「そりゃアレだろ。お前が手頃だったんだろ。高望みしたってうまくいくわけないし、例えブサイクだったとしても、お前くらいなら会えば体で落とせるとか思ってんじゃね?」 「なるほど……。僕、見るからに女性に縁が無さそうだもんな……て、ヒドイこと言うなお前!?」  うっかり納得するところだった。が、妙に説得力のある理由だ。体で落とせるとか、穂乃果さんの写真のイメージが粉々に崩壊しちゃうので考えたくはないけれど。軽く涙目だわ僕。 「それにしても、その眼鏡ってアレだろ? 今流行りのクオリア・コンバーターってやつだろ? 便利だけど、怖えよな。その手の事件増えてるらしいし。てことで、ま、会うのはやめとくこったな。君子危うきに近寄らず。お前が君子だったら俺は神だけども」 「お前、僕のこと見下し過ぎだろ!」  なんてやりとりをしてみたけれど、実はもう手遅れだった。  好奇心に負けた僕は、もう会う約束をしちゃってた。手紙に記載されていたメールアドレスを利用して。
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