2人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
※ ※ ※
「それはアレだな、絶対にブス。その写真は完全に原型留めてないほど修正されまくったやつだぞ」
「そう思う? やっぱり?」
翌日、僕は出社するなりロッカールームで一緒になった、比較的仲良くしている同僚に相談していた。
「でもさ、なんで僕? そんなことしてまで会うのなら、もっとイケメンを選べば良くない?」
「そりゃアレだろ。お前が手頃だったんだろ。高望みしたってうまくいくわけないし、例えブサイクだったとしても、お前くらいなら会えば体で落とせるとか思ってんじゃね?」
「なるほど……。僕、見るからに女性に縁が無さそうだもんな……て、ヒドイこと言うなお前!?」
うっかり納得するところだった。が、妙に説得力のある理由だ。体で落とせるとか、穂乃果さんの写真のイメージが粉々に崩壊しちゃうので考えたくはないけれど。軽く涙目だわ僕。
「それにしても、その眼鏡ってアレだろ? 今流行りのクオリア・コンバーターってやつだろ? 便利だけど、怖えよな。その手の事件増えてるらしいし。てことで、ま、会うのはやめとくこったな。君子危うきに近寄らず。お前が君子だったら俺は神だけども」
「お前、僕のこと見下し過ぎだろ!」
なんてやりとりをしてみたけれど、実はもう手遅れだった。
好奇心に負けた僕は、もう会う約束をしちゃってた。手紙に記載されていたメールアドレスを利用して。
最初のコメントを投稿しよう!