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「脇!脇の下!なんてとこから!」
叫ぶと、ドクター尾国の声が通信で入ってきた。
『足の裏では、着陸時にバランスをとるのが困難なのだ。脇の下ジェットは、私の特許である!』
「いやぁぁぁぁぁ!オーマイガッ!」
考えうる限りの日本語と英語の悪態をつきながら、マチルダは駆けた。
廃墟と化した街を踏みつけて、さらに周囲を焦土と化そうとしている、敵のロボットに向かって。
「貴様らのせいで、こんなもんに乗せられた私の日常を返せぇぇぇぇぇぇ!!キル・ユー!キル・ユー!キル・ユゥゥゥゥゥ!!」
怒りこそが最大のエネルギーに変換されるのか、全力の飛び蹴りは、これまで世界中のどの攻撃をも跳ね返してきたロボットの装甲を蹴り破り、上半身と下半身を泣き別れ状態にした。
爆発が起こったが、そのときには彼女は次の標的に向かって脇の下ジェットで飛び立っていた。
ドクター尾国の指示によって。
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