第2章

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ギイイ…バタン。 裏庭の通用口のドアを閉める。 あっさり城から出れたので拍子抜けなう。 とユキ姫は呟きたくなった。 呟かないけど。 途中何度か警備のものとバッティングしそうになったが 地味な服装好きが幸いし、すんなり出れたのだ。 ひゅうーん… 冷たい風が吹く。 「…寒い。」 ムートンブーツを履き、腰にカイロを貼っているけど寒いものは寒い。 なんで私の誕生日は明日なんだろう。 季節は2月の初め。 お祝いのケーキの上のフルーツは10割苺だ。美味しいんだけどね。 とりあえず寒さをしのげる場所を探さないといけない。 余談だが、ユキ姫はかくれんぼが得意だった。4歳の時あまりにも見つからないので、捜索のため国中の兵を全員呼び戻す手前まで行った。 ちなみにその時は自力で戻って来た。 父様はとても心配したが、ユキ姫は隠れ先で快適に過ごしていた。 そういう察知能力というかサバイバル精神が王族にもかかわらず私にはある、と変な自負があった。 そんな力を駆使し歩き回った結果 ちょうどいい洞穴があった。
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