0人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
その洞穴へ近づき入ろうとすると
「わっ!」
洞穴から男が出て来た。
危うくぶつかる寸前で回避できたのでよかった。
「す、すみません…」
「いえこちらこそ…」
暗がりでよく見えないが、帽子と長い銃を持っているから…猟師?
それとも城からまだそんなに離れていないから、城の者?
ここでバレて連れ戻されるものなら、ウェーイな継母様と同類のウェーイな男との結婚という苦痛な未来が待っている
冷たい汗が背中を伝う。
慌てて
「し、失礼しました!」
と逃げようとするも
あっさり腕を掴まれてしまった。
振り返ると、男と目が合う。
月の逆光のため顔はよく見えない。
すると腕にかかる力が優しく解け
「こんな夜道を女性1人では危ないですよ。
とりあえず僕の家へ来てください。」
と、優しく言われるとなんだか断りにくい。
「…は、はあ。」
「では、行きましょう。」
男は歩き始めました。
洞穴の中、入ってみたかったなあ
と後ろ髪を引かれる思いでユキ姫は男について行きました。
最初のコメントを投稿しよう!