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終わった…。
ユキ姫は落胆した。
せっかく外へ出たのに、おじゃんになってしまった。
早くて今すぐ、遅くても明日の昼までには城へ返されてしまう。
「びっくりしたのは僕の方だよ。洞穴から出たら、明日お披露目兼結婚相手探しパーティーをするはずの白雪姫様がいるんだもの。」
と、猟師さんは言う。
それだけ知っているということは、確実に城の者である。しかも結構いい位の。
ますます絶望が深くなる。
太ももの上の握りこぶしに力が入り震える。泣きそう。
「…無理には聞かないよ」
そう言って猟師さんの手が優しく肩に触れた。
「大変だったね。ユキ姫。今晩はゆっくりお休み。」
猟師さんは穏やかに笑った。
私はうまく声が出ないのでコクリと頷いた。
梅昆布茶を呑んだ。私が常備しているものと同じ味だった。
それにホッとしたのか、一気に眠くなった。
すると猟師さんが
毛布をかけてくれたのでそのままソファで寝ることになった。
眠たい頭の中で
今は早く寝て明日は早く起きて、さっさと外へ出よう
想定外のことはあったけどやることは変わらない
そう意気込んで私は眠りについた。
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