第2章

7/10
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
それから夕食を終え、お風呂から出る。 自覚はなかったが、2日ぶりだとだいぶ汚れていたようで、さっぱりした。 あとたくさん寝たから体も元気だ。 これで明日は外に出よう。 1日繰り延べして正解だったなあ と、評判の良い高性能ドライヤーで頭を乾かしながら自画自賛した。 すると 「ユキ姫さま。そんなことは私めが…」 と猟師さんが近寄って来た。 「もう乾いたので大丈夫ですよ。」 性能が良いのですぐに乾いてしまったのだ。 城で使っていたのは亡き母様の形見だったので、だいぶ型が古かった。使うと変な音もした。 捨てるに捨てられないので使っていたが、他にも形見はあるので新しいものを使えばよかった。 「ユキ姫さま。」 猟師さんがこちらを見ている。 「お聞きしたいことがあるのですが。」 神妙な面持ち。 そこから察しがつく。 城からお達しが来てしまったようだ。 猟師さんにも彼の立場というものがある。 「何ゆえ、姫さまはこのような脱出を企てたのですか?」 直球ストレートだが、見逃しというわけにはいかない。 「それは…」
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!