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それから夕食を終え、お風呂から出る。
自覚はなかったが、2日ぶりだとだいぶ汚れていたようで、さっぱりした。
あとたくさん寝たから体も元気だ。
これで明日は外に出よう。
1日繰り延べして正解だったなあ
と、評判の良い高性能ドライヤーで頭を乾かしながら自画自賛した。
すると
「ユキ姫さま。そんなことは私めが…」
と猟師さんが近寄って来た。
「もう乾いたので大丈夫ですよ。」
性能が良いのですぐに乾いてしまったのだ。
城で使っていたのは亡き母様の形見だったので、だいぶ型が古かった。使うと変な音もした。
捨てるに捨てられないので使っていたが、他にも形見はあるので新しいものを使えばよかった。
「ユキ姫さま。」
猟師さんがこちらを見ている。
「お聞きしたいことがあるのですが。」
神妙な面持ち。
そこから察しがつく。
城からお達しが来てしまったようだ。
猟師さんにも彼の立場というものがある。
「何ゆえ、姫さまはこのような脱出を企てたのですか?」
直球ストレートだが、見逃しというわけにはいかない。
「それは…」
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