第2章

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どこから話せば良いのだろう。 義理とはいえ、身内の悪口は言いたくない。 ましてやこの人は城内に出入りする者。 どこからどう尾鰭がついて噂が広まるかわかったものではない。 考えあぐねていると 「言いにくいようでしたら、僕から聞いても良いですか?」 猟師さんがしびれを切らしたようだ。 このまま私が考えていても上手く言葉にならないので、頷き意思を示した。 「…ユキ姫さまはパーティが嫌で城を出たのですか?」 いきなり大正解だった。 いやタイミング的にそれしかないか。 「どうやら正解のようですね。」 私の反応でわかってしまったみたいだ。 「…はい。まだ私には結婚というのも考えられないし、それに…」 「それに?」 「あのドレスはちょっと…」 「ドレス? そんなはずはない。」
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