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「なっ…」
開いた口が塞がらない。
「実は君の捜索は昨日の夜から始まっているんだ。城中大騒ぎさ。
君はこの国にとって大事な1人箱入り姫だ。
その気になれば国中の兵を集めて探すだろう。あの時のように。」
「あの時って…かくれんぼの?」
「やっと思い出してくれたね。そうだよ。その時君と僕は出会って恋に落ちた。」
…そうだっけ?
全然記憶にないけど口ごたえするのは得策じゃない。
「ここにいても見つかるのは時間の問題だ。
見つかったら君は連れ戻され、僕達は引き離されてしまう。
やっと逢えたのに。
そうなるくらいなら
いっそ
ここで、一緒に死のう。」
猟師さんは悲しそうに笑いながら言った。
私は震えることしかできなかった。
プルルルルル
プルルルルル
プルルルルル
「…。」
隣の部屋の電話が鳴る。
猟師さんが取りに行った。
その隙に
鞄を手にとって
全力で走って逃げた。
何ページか前の、言葉、撤回。
猟師さんは
めっちゃやばい人だ。
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