第2章

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「なっ…」 開いた口が塞がらない。 「実は君の捜索は昨日の夜から始まっているんだ。城中大騒ぎさ。 君はこの国にとって大事な1人箱入り姫だ。 その気になれば国中の兵を集めて探すだろう。あの時のように。」 「あの時って…かくれんぼの?」 「やっと思い出してくれたね。そうだよ。その時君と僕は出会って恋に落ちた。」 …そうだっけ? 全然記憶にないけど口ごたえするのは得策じゃない。 「ここにいても見つかるのは時間の問題だ。 見つかったら君は連れ戻され、僕達は引き離されてしまう。 やっと逢えたのに。 そうなるくらいなら いっそ ここで、一緒に死のう。」 猟師さんは悲しそうに笑いながら言った。 私は震えることしかできなかった。 プルルルルル プルルルルル プルルルルル 「…。」 隣の部屋の電話が鳴る。 猟師さんが取りに行った。 その隙に 鞄を手にとって 全力で走って逃げた。 何ページか前の、言葉、撤回。 猟師さんは めっちゃやばい人だ。
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