第3章

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コケてしゃがんだら、目が合った。 …男の子のようだ。 「えーっと…」 口ごもっていると 「早く質問に答えろよ。」 ため息をつきながら言われた。 「はい…。」 その高圧的な態度に、おそらく年下なのに、なぜか敬語が口から出る。 男の子がギロリとこちらを睨むので、私は怯む。 「その、雨宿りしてました!だから泥棒とか空き巣とかじゃないです!」 普段使わない笑顔と身振り手振りを遺憾なく発揮した結果 変なテンションになり、かえって怪しくなる。 「…ふーん、で?」 挙動不審な私に動じず冷たい目で男の子がこちらを見る。 で? って何なのさ。 と一瞬パニックになる。
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