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ちらりと男の子の方を見ると、少し表情が和らぎ
「…俺は、コタロー。歳は…見ての通り。ここの家に住んでる。」
と話してくれた。
さっきから睨んだり愛想が悪いのは、私の得体が知れなかったからか。
と原因がわかりちょっとホッとする。
「で、ユキはこれからどうするんだ?」
「えーっと…とりあえず雨が止んだら外に出て森の中を歩いて…」
「で?」
その後は?
何にも考えてなかった。
よくよく考えたら森は猟師さんからすれば庭だ。テリトリーだ。
部屋にある剥製の数からも、凄腕であることは想像に難くない。
思想はやばいけど。
もし猟師さんに見つかって捕まったら…
血の流れる未来しか見えない。
そんなことになってしまったら
何のために城を出てこんなところまで来たのか。
それじゃあダメじゃん。
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