第4章

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安息も束の間。 物音をやたら立てながら戻ってきて、机の上に叩きつけるようにお金を置く。 「…これで食糧買ってこいよ。」 コタローくんはすごく不機嫌そうに言う。 感じ悪っ。 と露骨に態度に出すのも面倒だと直感で悟ったので 「…はい。」 と生返事。 「…チッ。」 また舌打ち。 そして立ち上がる。 どうやら外へ向かうみたいだ。 玄関のノブに手をかけたところで、コタローくんが言う。 「あー、あと、ソレ、俺もういらないからやるわ。」 バタン。 ドアが閉まる。 ソレって… コレ?机の上の板チョコ(食べかけ)? ちらりと見る。 板チョコのいい匂い。 それにつられてグーとお腹が鳴る。 だけど チョコレートの断面にはコタローくんの歯型がくっきり。 いらない…
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