第1章

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いちおう断っておくが、継母様と私は仲違いしているわけでは、決してない。 顔を合わせれば会話はするし、三者面談とか来てくれたし継母としての役割は果たしてくれていると思う。 ただ、シンプルに合わない。 それだけである。 「ユキりんって彼氏いるの?作ったほうがいいよー。」 とか 「ユキりん、ボーダーばっかり着てたらモテないよー!花柄きなよー!」 とか そもそも義理の娘を『ユキりん』と呼ぶこと それらに悪意がないから此方としても困るのだ。 あっ、あと壁にかけてある鏡に向かって話しかけているところも苦手。 『鏡よ鏡よ鏡さん』って何? なんで最後だけ敬称つけるの? 百歩譲ってやるのはいいけど、なぜ私の隣の部屋で夜中にするの? 継母様の言葉で私が嫌な思いをするのと、逆のことが起きていた可能性も当然ある。 パーティの誘いを5回連続で断った時は少し申し訳なく思った。翌日行われた5回連続お断り記念パーティには出席した。 今はお互いの我慢で均衡を保っているが、いつこのバランスが崩れるかわからない。 継母は言動などから年齢不詳のため、魔女という噂もある。 昔の本を読む限り、魔女の復讐ほど怖いものはない。 合わない者同士が接触することで、無意識に傷つけあう 不毛な時間に 私は終止符を打ちたいのだ。
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