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『きゃあああぁあぁあ!』
『うぎゃあああ』
『い、いや、助け……がぁっ、あ、あああ゙ぁあ゙ぁ!!!』
B級ホラーは好きだ。作り物なのが丸分かりなのに、そこに出演しているアクター達は大真面目。その落差が堪らない。
彼らが絶叫すればする程、その差は大きくなり笑いを誘う。
そこに、他の映画へのオマージュがあれば、尚更良い。B級だろうと、映画への愛が感じられるからだ。いや、このオマージュこそがB級たる所以なのだろうか。
そんな事を考えていると、薄っぺらな画面に映る映像は、エンドロールを流していた。
エンドロールの後には、その後を予感させる何かが挿入されている筈だ。
それを観るまでは、この映画を終わらせる事は出来ない。
全てが血塗れで。でも必ず誰かが助かる。それがこの後、覆されるのだ。
それが希望か絶望か……きっと作った人間にも分からない。
闇の中、画面から放たれる薄ぼんやりした明かりに照らされながら、もう動く事のない彼女にキスをした。
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