若菜1~再会~

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「あら、もうこんな時間ですのね」 ふと時計を見れば六時になっていた。 「今から夕食の仕度をしますね」 若菜は嬉しそうに部屋を出ていった。 「はぁ~」 一人になると思わず口からため息が出た。 東京から思いきって訪ねてきてよかった。 彼女は僕の事を覚えてくれている。 ダメだ…嬉しくて顔がにやけてしまう 若菜は小学六年生の頃からクラスで、いや学校で一番の美人だった。 その美しさは変わらずに、より洗練された女優と見間違うような女性に成長していた。 「お待たせしました」 若菜は御膳を持って戻って来た。 焼き魚や煮物、漬物などがぞろりと並んでいる。 料亭みたいだな… 「今ごはんをよそりますね」 「うん、ありがとう」 若菜から茶碗を受けとる。 「ふふっ」 「どうしたの?」 「私、嬉しいんです あなたとこうして過ごすことが出来て…」 若菜は頬を染めながら僕を見つめる。 僕の胸は甘く疼いた。
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