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あぁ…緊張する
口から心臓が飛び出そうだ…
高校三年生となり最後の一年間が始まる。
僕はこの最後の一年間のために高校にはいると直ぐにアルバイトを始めた。
あの人に会うために。
僕のこの淡い恋に決着をつけるために。
東京から京都まで…長かった…
お金もかかった…
バイト代を一銭も使わずにコツコツ貯めたんだ…
でも、もしあの人が…彼女が僕の事を覚えていなければ…
ダメだ!弱気になるな!!
彼女に会いに東京から京都まで来たんじゃないか!!
京都駅から出るとバスに乗り目的地まで向かう。
タクシーを使えば早いのだろうが、無駄なお金は使えない。
あぁ…緊張する…
僕はリュックの中から封筒を出して中に入っている手紙を見る。
あなたに会いたい、と手紙には書かれている。
一週間前にこの名無しの手紙を受け取って僕の決心は固まったんだ。
彼女はわざわざ東京まで来たのではないか。
そして名前も書かずに封筒を投函して帰ったのではないか。
でなければ只のイタズラか、人違いかもしれないが、僕は背中を押され此処まできたんだ。
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